[色者(しきしゃ)のぼやき] 第30回

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四国合唱コンクール in 松山

日時:2006年9月3日(日)         
場所:愛媛県県民文化会館メインホール

<前夜>
2月に行われたジョイントコンサートの出演団体を中心に、代表者が集まって宴をもった(コンクールの代表者会議とは全く別モノ)。 その中には、明日の本番で指揮する人間が4人も含まれている♪ 「ホントにこれがコンクール前の雰囲気か?」と疑ってしまうが、 適度な緊張感の中にも、だれもがみんな久しぶりに仲間に会えた喜びを感じているようだった。。。 新しい出会いもあり、とてもおいしいお酒だった。 これからもこの企画は続けてほしい。来年は高松だなぁ〜。

<今年の演奏曲>
【課題曲】「Candida Virginitas(清らかなおとめ)」(Cristobal de Morales)
【自由曲】「Papillon(蝶々)」(Hugo Alfven)
     「Salve Regina(めでたし 元后)」(Knut Nystedt)

課題曲は今年もいつものM1を選択。悲運のスペイン作曲家モラーレスによるポリフォニー。 「清らかなおとめ」からは想像もできないようなもの悲しい旋律、 しかしそれが逆に宗教性をそこはかとなく醸し出す結果となり、演奏する者を歌詞の世界へ引き寄せる。 ここ数年M1の中では最も好きな曲である。 自由曲は、スウェーデンの作曲者アルフヴェーンによる「パピヨン」と、ノルウェーの作曲者ニーステットによる「サルウェ レギーナ」。 「パピヨン」は蝶々の優雅さとはかなさをいかんなくメロディーに示されている短編の名曲。。。 これをスウェーデン語でどれだけ表現できるかが課題。 「サルウェ レギーナ」は、スヴァンホルムシンガーズの委嘱作品で、 1999年に彼らが来日して以来、数々の男声合唱団によって歌われている比較的新しい曲である。 半音のぶつかりと男声合唱ならではの重厚感を出せるかどうか。

<本番>
リハーサル会場は、地下2階のとてもせまい部屋・・・おまけに全く響かない。 出だしのピッチが全然そろわないのに神経をすり減らし、ほとんど通し練習ができなかったのが悔しい。 おまけに各団体の最後ということで風とおしの悪いあのリハ会場は非常に空気がわるかった。 しかもクソ暑い!汗ダラダラの状態で本番待機・・・最悪。

舞台袖は非常にエアコンきいてて寒いぐらい・・・汗もいっきにひいてこのままじゃ風邪ひきそう! 舞台では徳島合唱団が演奏中。やはりこの合唱団はコンクールとなるとビシッと引き締まった演奏をする。 なんと言ってもアルトとベースの支えが安定している。思わず聞き惚れているうちに・・・響の出番!

「ここの舞台はとてつもなく広い!」と思っていたが、指揮者の位置から舞台をみるとそうでもなく、チョット自分的には安心。 しかしメンバーからはやはりヨコにかなり広い印象をもっていたようである。 トップテナーからの出だしはまずまずだったが、あとのパートの入りにめりはりがない。 やはり十分にトップテナーとベースは聞き合えなかったようだ。 各パートによる主張と協調が明確でなければ、曲自体がいきいきしてこない。 そういう意味では失敗だったように思えた。

自由曲は1曲目でおもいっきり躍動感をもたせて、2曲目で抑制のきいた息をのむような厳しいハーモニーを披露しようというのが狙い・・・ やはり団員の半数はスウェーデン語の暗譜、怪しかったなぁ。 歌いたい気持ちは伝わってくるが、歌詞をおぼえていないので歌えない。。。 そんな悔しい経験を体験してもらって「やはりもっと歌い込まないと!」と思ってもらえればそれでいい。 「サルウェ」は3曲の中では最も平常心で聴けたような気がする(諦め?)。 半音のぶつかりは、同パート内でのデヴィジョンで起こる箇所が多いのでよく 聴いてそのピッチをそろえないといけない。 半音より寄っても離れてもいけないのであるが、その辺が甘かったのは否めない。 最後はP〜PPの持続であるが、単に音の音量をさげることのないようにf以上に気持ちを込める! ということを指示しているのだが、やはり「きれいなp」という印象で終わってしまう。 これでは男声合唱の魅力が半減してしまう。 もっとpで表現するチカラを備えたい。 ただ今回あまりにpにこだわりすぎて「fにパワーがなかった!」というのは後で会場から聞かれた印象である。 そのへんの修正も課題である。

<審査結果・感想>
なんとか「金賞」を受賞して全国大会へ♪
審査員の先生方のコメントの他に、自分たちの演奏を聞いてくれた人たちからも屈託のないご意見をいただけた・・・ やはりこの人たちの声が自分たちを高めていく糧となっているような気がする。 団内の声および団外からの声・・・ これらを取り入れて、全国大会ではさらにいい演奏ができるようにしたい。

<審査員の先生方講評>
★岩崎 洋一 先生
  課題曲: 重厚な支えの上に各パートがバランスを保って自在に音楽を作られています。
  自由曲: 軟らかな響きが何よりも音楽表現を柔軟にしています。密度の高い演奏です。
★荻久保 和明 先生
  やったねえ 暗譜だ がんばりましたね。
  課題曲: うまくまとめた 時々5度狂う。
  自由曲: PPの世界きれい 半音のぶつかり怪しい? やっぱり男のf、ffが聴きたいな。 今回はずいぶんデリカシーで攻めましたね 見事です。
★香月 ハルカ 先生
  課題曲: よくコントロールされたマリアへの祈りの讃歌、ステキでした。 各パートの動き、もう一歩くっきりと出させても・・・と感じる部分がありました。
  自由曲: P〜PPの中での表現の変化、f〜PPへのダイナミックスの変化の歌い上げなど、 これからもう一歩豊かな音楽作りに向けてのご研鑽を期待しています。
★門野 光伸 先生
  とても落ち着いた演奏で、大人の余裕を感じさせます。 自由曲1曲目のPoco piu mossoの前のところ(3番に入る前のハモリ「デーデンエネーラ」)もっとハーモニー決まりたかったです。 Nystedtは女声で「Sancta Maria」を演奏したことがあるので興味深く聴かせてもらいました。
★洲脇 光一 先生
  大変難しい曲をよく演奏できました。 もう少し正確な音程が出ればもっとよい響きになると思います。がんばってください。



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−2006年9月15日更新−
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