[色者(しきしゃ)のぼやき] 第22回

ホームページへ

「“世界合唱の祭典 京都”関連事業〜アルティ声楽アンサンブルフェスティバル2005〜」

日時:2005年7月17日(日)
場所:京都府立府民ホール“アルティ”

<参加に至るまで>
とある夜中、ぼんやりと「ハーモニー 春号」をよんでいると、 このフェスティバルが参加団体を募集している広告を発見。 このイベントは単なる演奏会だけでなく、 松下耕氏によるワークショップや参加団体による交流会もあるらしい。 合唱祭も終わりコンクールまで“ふぬけ状態”だった色者は、 一念発起でフェスティバル参加応募を勝手に決意。 参加団体選考審査のため、タイムオーバーだったアンコンの音源をそのまま郵送。 後日フェスティバルに応募したことを団長他役員に報告。 「まあ無理だろう」とみんな相手にしなかったが、後日「参加要請」の連絡が届いて大慌て。 必死に練習をすることとなる。

<選曲>
テーマが「世界の音楽〜日本の音楽」ということだったので、 アンコンで歌った「Ave Maria」「Angelus Domini」を中心に教会音楽からなる「世界の合唱」を披露しようと考えていたが、 実行委員長より「もし可能なら、日本の民謡を題材にした演奏をお願いできないか?」と注文あり。 全く180度ちがうジャンルへの方向転換に戸惑いを隠せなかったが、 これも試練だ!とそのまま引き受ける。 さらに「“阿波”を取り入れてほしい」と具体的なリクエスト・・・ 以前から「やらねば!」と思っていた組曲で、 がぜんやる気が起こる(この時点では色者のみがはしゃいでいる状態)。 ということで「響」演奏予定曲は次のとおり。

1)「たいしめ」(合唱のための風土記「阿波」から:作曲 三木 稔)
2)「麦打ち」 (     同   上           )
3)「刈干切唄」(男声合唱のためのコンポジション「日本の民謡 第3集」から:作曲 松下 耕)
4)「津軽じょんがら節」(   同   上           )

<リハーサル>
前日宿泊地、新大阪をJRで出発し京都へ・・・ “祇園祭”真っ最中でまさしく人間飽和状態の中を会場へ! アルティホールのまわりは休日ということもあり静かな佇まい。 中に入って枝幸ジュニアのリハーサルをきかせてもらう。 なんという透明感のある声! 一糸乱れぬハーモニーを構築している。あまりに響と存在している次元がちがいすぎる。 審査選考により参加要請を受けた団体ばかりだから、 下手な団体は皆無ということは頭ではわかっていても、 やはり「とんでもないところに来てしまった」という思いは間違いなく芽生えた。 ホールは驚異的な残響があり、大声を出さなくても十分に会場いっぱいに響く。 いつもの“吠えまくり”ではダメということはメンバーみんながすぐに認識。 指揮者なしによる少人数アンサンブルの楽しみを十分に出そうというのが目的だったので、 歌うことよりも聞くことに集中することを確認した。

<本番>
演奏に先立ち、松下耕先生によるワークショップ「アンサンブルをしよう!〜和音とカノン〜」 は非常におもしろかった。あれは合唱をしていない人でも十分に楽しめたのではないか。 聞くことの大事さ、手話音程によるピッチの練習など本当に勉強できた! というより楽しめた。。。さて「響」の本番。 この日出場5団体のうち男声合唱は「響」だけ。よって以下のことに十分注意を払った。

1)混声、女声にはない男声合唱の魅力を伝えたい
2)民謡をモチーフにしている曲を並べたため魂の入った演奏をしたい
3)それぞれの曲の特徴をアピールしたい
4)指揮者がいないため、お互いのブレスのタイミングなど合わせるため舞台オーダーを曲によって変えて、 聞きやすい状態を常に作り出す

京都の地にやってきて自分たちの地元の民謡である「阿波」を歌い、松下先生に、 響がコンクールなどで長く取り組んできた「日本の民謡 第3集」を聴いてもらえる幸せを感じながら、 なんとか歌いきることができた。終わった後は本当にすがすがしい気持ちになれた。 みんなもたぶん同じ気持ちだったと思う。

あとで、松下先生から「指揮なしであれだけ歌えるなんて、感動したよ〜!」と握手されたり、 吉村先生から「本当におもしろかったよ。コンクールの自由曲、これやれ!」、 高嶋先生から「民謡の歌い方、バッチリきまってたね」と言ってもらって本当にうれしかった。 でも一番うれしかったのは実行委員長の伊東恵司氏から 「それまで会場内に演奏者と聴き手に距離があったのが、 響の登場によって一気にその距離が縮まったのを感じた。 このイベントに必要な何かをおしえてくれたような気がした。」 という感想をきいた時だった・・・ やはり忙しい中、一生懸命練習してきたこと、時間を作って京都までやってきたことは、 決して自分たちにとって無駄ではなかったと実感できたのである。



ホームページへ

−2005年10月26日更新−
© 2005 徳島男声合唱団「響」