[色者(しきしゃ)のぼやき] 第15回

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「第56回全日本合唱コンクール全国大会」

日時:2003年11月23日(日)
場所:三重県文化会館 大ホール

「響」本番前日(22日)のわたし・・・

会場の三重県総合文化センターは、三重県の「文化の拠点&中枢」と言えるほどの“広さと設備”を備えていた。その中の大ホール・・・2階席は審査員席であったため3階へ。はるか見下ろすほどの高さから、それに比例する舞台をのぞむ。天井までスコーンと抜けて上の反響板がない。側面の反響板は白く舞台がとても大きくみえる。午前中「大学の部B」を聴く・・・大人数の合唱団が続き、すこしでもピッチがそろっていないと声が3階席まで届いてこない気がする。逆に言えばわずかな音量でもそろっていればきちんと響きわたるとても素晴らしい、そして恐ろしい「ホール」という印象をもった(*_*)。

まずは徳島合唱団の本番・・・ステージに立つと、舞台自体そんなに広い感じがしない。客席は見たところ、幅よりも高さと奥行きをかんじた。。。「巨大な教会」のようなイメージか???全国大会ならではの「ステージにマイクが何本も立つ光景」、やはりこれは気になる。。。「響」のメンバーは大丈夫かな?さて実際歌ってみると、その残響たるや非常に心地いい!一端投げ出した音を遙かかなたで聴くかんじ・・・。徳島合唱団の結果は「銀賞」であったが、自分なりには精一杯頑張ったつもりで悔いはない。「打ち上げ」でほろ酔い気味の吉森先生よりひな壇の使い方などアドバイスを受ける。この打ち上げメンバーの中にあした「響」で歌う人間が6人もいる。。。自分も含めて“大丈夫かぁ?”(-_-;)


本番当日の朝

朝食でわかったのだが、同じホテルに「なにわコラリアーズ」の人たちも宿泊していた。指揮者の伊東氏他いろんな人と話す機会を得る。。。これから本番までず〜〜〜っと練習するらしい。勝負に対する“こだわり&執念”を感じる。やはり常連はこうでなくてはダメなのか?男声合唱はこうでなくてはダメなのか??不安がよぎる・・・「響」は午前中ほとんどの団員が「職場の部」を楽しく聴くことになっている(^_^)v。

職場の部を聴いて・・・

朝一番から「松下中央」の演奏を聴いて、いきなり目が覚める(@_@)。職場の部はとても団体に個性があっておもしろい。中でも「東北電力」の「おーるタダタケ」はよかった(^^)。グリーメンにとってタダタケは“基本であり心”である。グッとくるものがあったなぁ〜。とくにソリストの伸びやかな美声が素晴らしかった!職場の部を終わってから、ウチのメンバーのひとりが「やっぱり男声合唱はタダタケのもんでよぉ!タダタケやらなあかんでよぉ!!」とその演奏を熱く語ってくれた!・・・そういや単独では最近やってないなあ〜。彼は“ワグネリアン”だから、いたしかたないけれど(^o^)。


最終練習

午後1時〜3時まで、文化センター内「多目的ホール」にて「最終調整」の予定が、「最終猛練習」になってしまった。前日はからずも自由曲の作曲者である松下氏と話す機会があり「最後の“ダッダッダ”をきちんと決めてくれ!」とお願いされる。。。やはり自分の曲をどこの馬の骨ともわからない合唱団が演奏するのはスコブる心配なのだろう。それではということでその最後のフレーズを特訓!・・・やはり出来ておらず、この練習に30分以上費やす。あとはとにかく“走らないように”ということを徹底して練習をおえる・・・すると、団長から「みんなこれまでよくやってくれた指揮者に拍手をお願いします!」というひと言!「おつかれさん!」「よぉ〜やったぞぉ〜!」ぱちぱちぱち・・・と、和やかな雰囲気に♪・・・『こらぁ〜、まだ終わってないぞぉ〜<(_ _)>』


いざ出陣・・・

午後3時30分、エントランスホールにて団体受付。さすがに最後の出演団体ということもありスタッフのみなさんにも「あ〜、やっと終わりかぁ(^o^)」という表情がうかがえる。団長も公務員である肩書き上、地元ではカッチリしているが、県外に遠征するととても“ほんわかモード”。受付のお姉様?とのさぶいギャグのやりとりで、徐々に下がってきた気温も手伝って、みんな凍り付きそうだった(>_<)。 「指揮者の先生はこちらです。」・・・“何?先生とな?”自分もみんなもだれのことかわかっていないが、誘導係の若い女の子に役得(?)とばかりについていく・・・指揮者は着替える部屋がちがうのだ。まったくのひとりで黙々と着替えることに_(._.)_なんとも言えない孤独感を持たざるをえなかった。ちなみに今回のコスチュームは「オールブラックス」(いわゆる“やっちゃん”スタイル)。演奏にのぞむ心構えは「見た目は恐いが、実は優しい声を出すちょっぴりエッチなおじさんたち」であった!このことを水飲み場に待機中のスタッフの人に話すと“大ウケ”で、「エッチな声ってどんな声?」とかマダムスタッフに突っ込まれて、あたふたする場面も。。。10分後に「本番」を迎える会話じゃないよぉ〜(T_T)。


そして本番!

舞台袖で「枝幸ジュニア」さんの汚れを知らない清らかな歌声を“これでもか!”と聞かされる。しかしそんなこと気にしても仕方がない。こちらは汚れだらけのオジサンたち、濃いも薄いも、甘いもすっぱいも、痛いもかゆいも知っている!そんな“人生経験”で勝負なのだぁ〜(^-^)!・・・と、意気揚々にステージへ。オーダーは2列で広がりすぎないように注意。いざ客席に振り向くと、なんと客席の明るくて近くかんじること! でもどこにだれが座っているなんか全然わからない、やっぱり緊張している(>_<)。礼をしてステージに振り返る。反響板の白い壁がせまってくるようなかんじ。びわ湖ホールの時とちがい開放感がある。まず選択曲・・・徳島県内では「なぜ響がこの曲を選んだのか?全然合唱団のカラーに合ってない!」と言われ、その団の固定化されたイメージを一新すべく練習に励んだこの曲。その第一声・・・この音を聴いてからすこしホッとする。期待通りのオクターブの柔らかい響きが出せた。あとはゆっくり走らないよう心がける。。。たまにベースはいつもの“走り気味”病が顔をだす。でもなんとか「耐えた」かな(~o~)?

そして自由曲「刈干切唄」・・・ソリストA野氏、最終練習ではイマイチだったが、さすがに本番では“嘆いて”くれた!みんな曲の情感を出したいがために、もうひとつパート内の声が揃いきらない。「が」「げ」などが鼻濁音になってないなぁ〜というのもその場でわかった。それでも「ちゃやちゃや」も吠えずに歌えたし、よかったよかった(^o^)。

「津軽じょんがら節」・・・神経は最後の「ダッダッダ!」に集中しつつ演奏開始!あ〜のっけからなんとなく走り気味ぃ〜(>_<)。それでもってホールの残響でわんわん響いてわけわかんない状態にぃ〜(@_@)。途中のスローな部分でちょっと落ち着いたのものつかの間、また元どおりのテンポに!このへんがまだまだ指揮者として本番で咄嗟のコントロールできないことを思い知らされる。。。で最後の「ダッダッダ!」、完璧とまではいかないが、体操で言うなら「着地は左足が半歩前に動いた」ってところだろうか(=_=)。


演奏終了

とりあえず緊張したけど、ひさしぶりに「響」が全国大会の場で演奏したという満足感はあった。前回が4年前で、おそらく半分ぐらいメンバーは今回初めての全国大会であったはず・・・それにしてもよくこの人数で歌ったよなぁ〜というかんじ。「枝幸ジュニア」さんよりは多いけどね(^_-)。みんなおつかれさま!


審査結果発表&表彰式
審査員席が開放され、そこに響の一同が陣取る。スゴイ特等席だ!メンバーの間ではなぜか「松下と住金、どっちが上手かったか!?」で盛り上がっている。。。自分の団についてはあまり興味ないのか?それとももう評価を見切っているのか?・・・そうこうしているうちに一般Bの審査が発表されていく。自分たちは一般Bの演奏を聴いていないのでわからないが、これまで金賞を受賞してきた団体がことごとく銀賞になっていく(>_<)。そして後半4団体。「響」以外はすべて金賞!・・・響は銅賞だった。ちょっと演奏順からすると厳しかったかなぁ〜(*_*)。表彰式では団長と吉村先生が賞状授与の時、何やら言葉をかわしているようだったが、あとで聞くと「全四国男声フェスティバルの時と比べると見違えるようなスゴイいい演奏だった!よかったよぉ〜、おめでとう!」と言ってくれたらしい。このお言葉に団長は感極まって涙が出そうになったとのこと。全四国(今年1月)の時もそんなにひどい演奏したつもりないんだけど・・・でも吉村先生にそう言ってもらえると、知らない間にちょっとずつでもレベルアップしてるのかな?と少しうれしい!


打ち上げ

津駅前地下の居酒屋さんで「打ち上げ」・・・実際に賞状と盾をみせてもらうと「あ〜、ほんとに全国大会に出たんだなぁ」ってじ〜んとしてくる(’’)。酒が入るにつれて本音も出てくる・・・「あんなホールで演奏したの初めてで、何がなんだか?」「全国大会の雰囲気にのまれた!」「緊張したぁ〜」というのが正直なところみたい。だってみんな演奏中の表情カタかったものぉ〜(^^;)、指揮ももっとカタかったけどねm(_ _)m。

あとで吉森先生に言われた「何事も経験!」っていうのは、そのとおり(^_^)v 偶然おなじフロアの別の店で「なにわコラリアーズ」ご一行も打ち上げの真っ最中。。。またここでもさらなる親交を深めることができ、また駅前のバスターミナルでいっしょに「斎太郎節」を歌わせてもらって感動的だった(「なにコラ」さんにはすでに潰れている人もいたようだ・・・厳しい練習あってこそ!か?・・・響は全員無事!?)。 コンクール会場以外のところでもこんな楽しい幸せな時間を共有することもでき、個人にとっても団にとっても収穫の多い“大会”であった。



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−2003年12月5日更新−
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